兵庫県丹波篠山市立たまみず幼稚園の年長、年少組の園児14人が近くの小嗣賢治さん宅(80)=同市寺内=を訪れ、庭園を見学した。音を楽しむ和風庭園の装飾「水琴窟(すいきんくつ)」の音色も聞き、日本六古窯の一つ、丹波焼の甕(かめ)と水滴が織りなす涼しげな音に、静かに耳をすませていた。
小嗣さん宅の水琴窟は、「省三窯」(同市今田町上立杭)で作陶された縦約50㌢の丹波焼の甕が埋められており、井戸水が甕の中に落ちると反響する。小さな穴から竹筒で耳を傾ければ、琴のような澄んだ音が聞こえる。
園児たちは一人ずつ、水琴窟の音色に耳を傾けた。それまでははしゃいでいた園児たちも、音色を聞く順番がくると静かになり、「すごっ」「ぽちゃぽちゃ鳴ってた」と興味津々の様子だった。
また、小嗣さんが水琴窟の構造を分かりやすく解説しようと、大鍋の中に小さな穴が空いた丹波焼のいすを入れ、その上からひしゃくで水をかけて、音色を実演する場面もあった。
メダカやドジョウが泳ぎ、白くかれんな花が涼しげに咲くビオトープも見学した。
年長組の男の子は「初めて聞いたけれど、良い音だった。面白かった」と話していた。