兵庫県丹波篠山市西新町にある精肉店「肉の東門」の前に、「肉ガチャ」ができる自動販売機が登場した。1回5000円で、同店がこだわる「お値段以上」の冷凍牛肉が出る。運が良ければ同店で使える1000円分の商品券が当たり、トータルで3000円分ほど得することもある。代表取締役の東門昭喜さん(50)は、「遊び心で設置した。お客さんにも楽しんでもらえるのでは。地域の人に還元したい」と笑顔を見せる。
肉ガチャは、サーロインやヒレのステーキ、焼き肉、しゃぶしゃぶ、すき焼き用など5種類程度の中から、5000―7000円相当の肉がランダムで出てくる。中には、イチボやミスジなどの希少部位もある。
自販機では、肉ガチャとは別に珍しい国産和牛のタン(2000円)や黒毛和牛の切り落とし肉(同)のほか、黒毛和牛のハンバーグ(2個入り1000円)にビーフコロッケ(5個入り500円)など7種類のメニューも購入できる。
どの商品からでも、「当たり」となる1000円分の商品券が出る可能性がある。
電子マネーの購入システムが整い次第、数万―10万円ほどで、品評会で入賞を果たした特上牛のサーロインやヒレなどが出る”超高級ガチャ”も始めたいという。
肉を自販機に入れる前に、独自の製法でマイナス40度まで急速冷凍。真空包装することで、うまみを逃がさない。
自販機のラッピングは、看板製作などを手掛ける「サンデザイン」の細見晃平さんに依頼。肉の東門で事務員として勤める大西教代さんの娘がアニメ風に描いた、東門さんと牛のイラストがあしらわれている。
高級肉を扱い、入店しにくいという印象を持つ人や、コロナ禍で入店をはばかる人でも、気軽に肉を味わってほしいとの思いから設置した。
自販機を利用した男性(64)は「すごく気になっていた。何が出るか楽しみだし、冷凍なので日持ちするのが良い。クリスマスや年末など、特別なタイミングで買うのも良いかも」とほほ笑んだ。
地域に根差した営業を大切にしている東門さん。「一番は地域の人に食べてほしいという気持ち。地域の人に認められなければ、外の人にも勧められない」と語った。
肉の東門の営業時間は午前9時―午後7時。定休日は水曜、第2木曜。