「必要なものを必要なだけ買える」をコンセプトに、ごみを出さない販売方法を工夫したマルシェイベント「ニードマーケット」が19日午前10時―午後3時、兵庫県丹波市立薬草薬樹公園(同市山南町和田)で開かれる。環境問題に関心を持つ地元の有志らが企画し、近隣地域から15ブースが出店。商品を包装しないため、来場者には袋や容器、ドリンク用カップなどの容器持参を呼び掛ける。主催メンバーらは「対面販売を通じて、人と人をつなぐ場になれば。観光のためではなく、地域の暮らしに密着したマーケットにしたい」と話している。
主催者は、大地亜紀さん(45)・岳紀さん(43)夫妻=同町=、瀧加奈子さん(45)=同町=、本庄朱佳音(あかね)さん(36)=同市春日町。環境に配慮した生活を心掛けるうち、商品のプラスチック包装が気になり、容器を持参して有機野菜やパン、卵などを生産者から直接購入することが多くなっていた亜紀さん。「安心安全な食べ物に興味を持つ人が増えている」と感じていたことや、都会では量り売り専門店ができていることもあり、「地元でパッケージフリー(袋なし)のマルシェをやってみたい」と友人らに声を掛けた。
マーケットには、野菜、パン、焼き菓子、コーヒー、茶、食用油、植物、エコ雑貨などのブースが並ぶ。メンバーが普段から購入している生産者や、紹介などで出店者を探し、量り売りでの販売方法や、有機栽培のものを取り入れた商品提供など、コンセプトに合ったマーケット運営ができるよう、試行錯誤している。「『やってみます』と前向きに考えてくれる出店者さんばかりで、ありがたかった」と亜紀さん。
カップやバッグを忘れた人には、オリジナルグッズを作って販売したり、貸し出したりする。バッグは、同県西脇市の織物会社から廃版になった布を提供してもらって制作。コーヒーや日本茶用のカップは、エコ素材のものを使い、使用後は回収するという。
ヒノキを使ったクリスマス小物作りと蜜ろうラップ作りのワークショップも。自然の力を活用した木製生ごみ処理コンポスト「キエたん(キエーロ)」の受注も行う。
亜紀さんは「楽しいマーケットに行ってみたら、実はエコだったという感じで、自然と環境にも意識が向いてくれればうれしい」と話している。
雨天中止。インスタグラム「need_market_tamba」で情報を発信している。隔月開催で、次回は来年1月を目標にしている。