兵庫県丹波篠山市のクラフトビール醸造所、丹波路ブルワリーテラノ・サウスで、グランピングが楽しめるドーム「丹波路グランピング」が完成した。「ビールを飲んだ後、このまま泊まれれば良いのに」という客からの要望と、昨今のアウトドアブームから着想。代表の井筒一摩さん(36)は「ビールを飲みながら、秘密基地で過ごすような気分を味わって」と話している。
グランピングドームは円形のログハウス。高さ約2・5メートル、6畳ほどの広さ。テラノ・サウスのパブに隣接しており、ウッドデッキ(8×6メートル程度)の上に位置する。
一棟貸しで、1日1組限定。宿泊定員は4人。シングルベッド2台と敷き布団、寝袋を用意。折り畳み式のテーブルといすもあり、エアコン、Wi―Fiも利用できる。ドームそばの「サニタリー棟」には、トイレとシャワー室を完備している。
デッキ上には、4人用の四角いテーブルと、2人用の円形テーブルを配置。風に吹かれながら、クラフトビールや料理をのんびりと味わえる。バーベキュー設備を備えることも検討している。
コロナ禍の中、新分野の展開や業態転換を目指す企業などの挑戦を支援する国の「事業再構築補助金」を活用した。
同醸造所周辺には宿泊施設がなく、最寄りの篠山口駅までは5キロ程度離れている。2017年の開業当初から、近くで宿泊環境を求める客からの声があり、それに応えた。
井筒さんは「ビール造りの修業で訪れたイギリスにあった、宿泊所を兼ね備えたパブ『inn』に近いイメージ」と語り、「今までは帰りの交通手段がネックだった人にも、ビールを楽しんでもらえるようになるのでは」と期待している。
グランピングは、「優雅」「魅力的」などを意味する「グラマラス」と、「キャンピング」を組み合わせた造語。テントを設営したりしなくても気軽にアウトドアが楽しめるとして、近年人気が高まっている。
宿泊料金は、大人1人6500円から。