日本六古窯の一つ、丹波焼の窯元「丹文窯」(兵庫県丹波篠山市今田町下立杭)4代目の大西雅文さん(42)が8、9月の2日間、「GTO」「池袋ウエストゲートパーク」などの出演作で知られる俳優、窪塚洋介さん(43)の作陶活動をサポートした。窪塚さんは丹文窯へ足を運び、独創的な作品を成形。大西さんが釉薬をかけ、登り窯で焼成した。作品は、18―27日正午―午後8時(イベント実施日は同6時まで)、ギャラリースタジオ「アシタノシカク ASITA_ROOM」(大阪市中央区)で開かれる窪塚さんの個展「陶芸やんか」でお披露目される。
共通の知人を介して知り合った2人。昨年11月、窪塚さんは家族で初めて丹文窯を訪れ、陶芸を体験。土に触れ、ろくろを回す感覚に魅力を感じたという。作品を見た同ギャラリーから提案を受け、個展の開催が決まった。
窪塚さんは個展に向け、8月に丹文窯で作陶。窪塚さんの世界観をイメージし、大西さんが釉薬を施した。9月に、長さ約15メートルの登り窯で焼成する際には窪塚さんも立ち会い、オブジェを中心に約30点が完成した。
個展には、愛用のネックレスを巻き付けた湯のみや、水晶を埋め込んだ皿、下向きに置いたグラスを土で囲ったものなど、窪塚さんの世界観があふれる作品がずらりと並ぶ予定。
大西さんは「少し触っただけで、土の柔らかさや硬さなどの感覚をつかんでいた。土の扱い方を分かった上で、作品で自分を表現しながら〝遊んでいた〟。初心者であそこまで遊べる人はいない。スター性が垣間見られた」と驚き、「大胆で、自分の気持ちや思いを乗せた、洋介君らしい作品になっている」と話す。普段の窪塚さんについて「オーラがある。わんぱくで好奇心がありながら、冷静さもある」という。
窪塚さんは「傾斜にはう登り窯に火が入っているのを見たとき、大きな5円玉のような形の小窓が横に並び、そこからもれる炎が目玉をギラギラさせていた。ナウシカの王蟲さながらの炎の怪獣のよう」と、焼成の瞬間を回想する。
また、丹波篠山市の印象について、「脈々と伝わる日本の原風景と登り窯。そこで陶芸をしたり、マツタケを採ったり、神社を参拝したりして、エネルギーをふんだんに感じられた」とコメントした。
大西さんは「同い年の〝スター〟に丹波焼の世界に関わってもらえていることが一番うれしい」と頬をゆるませる。窪塚さんの交流サイト(SNS)を見た若いファンが、大西さんの個展やショップにはるばる足を運ぶなど反響も大きいという。「丹波焼の知名度も上がってくれれば」と期待している。
個展は入場無料。作品購入は抽選制。18日はオープニングパーティー、25日は窪塚さんと大西さんとの「トークショー&懇親会」が、いずれも同ギャラリースタジオで開かれるが、チケットは数分で完売した。