兵庫県丹波篠山市にある県立高校、篠山産業と篠山鳳鳴の硬式野球部が対戦する親善試合「デカンショマッチ」(両高校主催)が13日、篠山産業のグラウンドで初めて行われ、篠山産業が6―4で鳳鳴に勝利した。春夏6回、甲子園出場に導いた篠山産業の長澤宏行監督(69)が10月、「市スポーツ振興官」就任時に公表していた野球振興策の一つ。今回はコロナ禍もあり、関係者のみの観戦だったが、長澤監督は「来年4月29日の2回目は、地元の皆さんに観戦いただき、野球熱を高めていただきたい」と話している。
開会式で酒井隆明市長は「互いに高まるよう頑張って」と両校選手を激励。産業の大槻冴斗主将(2年)が「甲子園目指して頑張ります」、鳳鳴の武元秀一主将(同)が「勝ちを目指して頑張ります」と力強く宣誓した。
試合は二回表、産業の8番・田中璃空君(同)が2死一、二塁からしぶとくライト線に落とし先制。さらに三回表1死二、三塁から4番・足立大和君(同)のセンターへの犠牲フライ、5番・木村亨也君(1年)のレフト前に落ちるヒットで1点ずつ追加した。
3点を追う鳳鳴は四回裏1死一、二塁から7番・武元主将が中前打を放つと、小倉大志君(1年)のホームへの好走塁で1点目を挙げた。なおも1死一、二塁のチャンスで8番・向井明日希君(2年)君が三塁線に鋭い打球を放ったが、産業三塁手の原田陸哉君(同)が難しいハーフバウンドを飛びついて捕球して三塁ベースを踏み、すぐさま一塁へ送球。ダブルプレーを奪って追加点を許さなかった。
産業は五回表1死一、三塁から4番・足立君のレフトへの犠牲フライ、六回表には2死一、三塁から1番・柳川瀬温人君(1年)のレフト前ヒットでそれぞれ1点を追加し、4点差に広げた。
鳳鳴は六回裏1死一、二塁から8番・向井君の内野ゴロ併殺崩れの間に1点を追加した。
産業は八回表2死三塁から9番・原田君がライト前に運び6点目を挙げると、その裏、鳳鳴は1死満塁から1番・武内佑磨君(1年)のレフト前2点適時打で2点差まで詰め寄ったが、最終回は産業の古谷結翔投手(2年)が三者凡退に抑えた。
試合後、長澤監督は「互いに意地を張った良い試合ができた。丹波篠山には硬式野球のチームは2校だけ。互いに負けずに競争して、次回はもっと良い試合ができるよう頑張ろう。丹波篠山は先人に素晴らしい人を輩出している。自分の子どもや孫にとって尊敬されるような丹波篠山のリーダーになってほしい」と両校選手を前に奮起を促した。
12月15日には両校が記録会を行い、冬のトレーニング前後の比較参考にするという。元パナソニックインパルスのアメリカンフットボール選手、霊山(かみやま)高志さんの指導でトレーニングも受ける予定。