篠笛アーティストの山口整萌(せいも)さん(44)と、整萌流一門の教室生らによる演奏会「秋色一音(あきいろいちと)」が、11月6日午後1時半から兵庫県丹波篠山市沢田の小林寺で開かれる。コロナ禍の影響で地域の祭りが中止となる中、和楽器や笛の音を聞く機会が減っていることから、「多くの人が音に触れる機会を」と企画。一門は、「地域の寺を舞台にすることで、より心身をリフレッシュする場にしてもらおうと考えた。ぜひ気軽に足を運んでほしい」と、来場を呼び掛けている。
山口さんは篠笛や尺八アーティストとしてフランスやドイツ、アフリカなどで公演を行うなど、海外でも高い評価を得ている。近年はピアニストの小瀧俊治さんと共に「ピアノ尺八INFINITY」を結成し、精力的に演奏活動を行っている。
山口さんの演奏を聞いた丹波篠山市民がその魅力に感動。市内での教室開講を依頼し、7年前から月に1度、玉水会館(黒岡)などで指導を受けている。
今回は、丹波篠山をはじめ、関西や中部地方などの教室生12人も出演。ギターの井野アキヲさん、パーカッションの浜野明浩さんを交えて和と洋が融合した空間をつくり上げ、古典的な音楽だけでなく、Jポップなども演奏する。
山口さんらは、「もともと篠笛は一般大衆の中で広がってきたもの。皆さんになじみのある曲を演奏するので、身近に感じてもらいながら、篠笛の音を楽しんでもらいたい。子どもたちにも聞いてもらえたら」と話す。
丹波篠山教室の山下敬子さん(50)は、「ミュージックサイレンがあったり、10月には秋祭りのお囃子が聞こえてきたりと、これからも音楽があるまちであってほしい。コロナ禍で音楽を楽しむ機会が減っていたので、ぜひこの機会に」とほほ笑む。
会場使用を快諾した小林寺の飯田天祥住職は、「以前はジャズライブなどをしていたこともあったので、久しぶりの機会。気軽にお寺に足を運んでもらえるきっかけになれば」と喜んでいる。
入場料500円。15歳以下は無料。