兵庫県内で今月15日に狩猟が解禁され、同県丹波篠山市では、猪肉を使った郷土料理「ぼたん鍋」の本格シーズンを迎えた。文化庁が地域に根付く食文化をPRする「100年フード」に認定されたことを機に、料理店や市が一体となり、ぼたん鍋の魅力発信に意欲を燃やす。
猪肉をボタンの花のように美しく盛り付けて提供し、地元産野菜と共にみそやだしで煮込むぼたん鍋。今年3月、猪肉が縄文時代から食べられていた歴史などから、「伝統」部門で100年フードとして認定された。
県内では豚熱の感染拡大が続いており、同市内の地場産猪肉は市場には流通しない。そのため、市内各店舗は、感染拡大範囲外で仕入れた良質の猪肉を使う。
市観光協会の堀成志会長(58)は、「『境港にはおいしい魚が集まる』と言われるように、丹波篠山にはおいしい猪肉が集まる。協会を挙げてPRしていきたい」と意気込む。料理旅館「高砂」(同市二階町)の檜田哲也支配人(51)は、「丹波篠山の冬といえば『ぼたん鍋』というイメージを定着させたい」と語った。