過酷レースで新記録 トレイルランで170キロ走破 世界目指す中谷さん

2022.11.05
地域

「LAKE BIWA 100」で斜面を上る中谷さん(提供)

山野を駆け抜けるトレイルランニングのプロランナー、兵庫県丹波市の中谷亮太さん(31)がこのほど、国内有数選手を含む約300人が琵琶湖周辺を走る大会「LAKE BIWA 100」(同実行委員会主催)で、大会新記録をマークして優勝した。100マイル(約170キロ)を駆け抜け、登った標高の合計「累積獲得標高」は1万500メートルある過酷なレース。大会記録を6分ほど縮める快走ぶりで、「あと1時間半は縮められそう」と自信を深めている。

制限時間52時間のところを、27時間22分50秒でトップフィニッシュ。2位には約1時間45分の差を開ける圧勝だった。

三重県菰野町をスタートし、すぐに険しい鈴鹿山脈を駆け上がった。当日は大雨で、地盤は滑りやすく危険な状態だったが、得意とする山岳地帯をあえてペースを抑えて走ることで、後半の勝負にかけた。

その後は西へ向かい、比叡山を通過。そこから24キロ続くアップダウンにさしかかると、「最も苦しく、勝負所。ここを一番飛ばした」と言い、後続との差を一気に広げて湖西にゴールした。

8月に欧州で行われた世界最高峰の大会「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」に出場。100マイルを走り、日本人4位(総合64位)に入った。「世界との差を知った」と言い、ベースとなる走力の底上げが必要と感じたため、帰国後から毎日30キロを走るトレーニングを課している。その成果が早くも表れ、今回の結果につながったという。

来年は世界最高峰レースの一つで、欧州で開かれる大会「トルデジアン」に照準を定めている。「UTMBを経験し、意識が変わった。世界一になるために何をすべきか考え、こつこつ積み上げたい」と意気込んでいる。

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