兵庫県丹波市山南町の製缶業、タケイチ工業(小堀健一社長)が、家庭で本格的な焼き芋が作れ、キャンプなどのレジャーでも使える鉄製の万能コンロを開発した。上部が焼き芋の窯、下段がまきをくべる火炉。上下段分離式で、持ち運びも簡単。「これを使って、いろいろ楽しんでもらえれば」と話している。
「丹波本格的万能コンロ 石焼き芋っくん」(税込み3万8800円)。意匠登録出願中。鉄板は厚み3ミリと頑丈なつくりで、下段の火炉が30センチ角、高さ35センチ(10キロ)。その上に、29センチ角、深さ12センチの窯(9キロ)を載せる。窯の中に、市販されている石焼き芋用の石を入れ、その上に芋を並べて加熱すると、遠赤外線の働きでふっくら、しっとりとした焼き芋が出来上がる。
焼き芋が大好物の小堀社長が、ガスコンロに載せる陶製の焼き芋機などでは満足できず、かと言って業務用は高くて手が出ないと、鉄やステンレスなどの厚板鋼板を加工・成形する自社の専門性を生かし、自社で製造した。
「石焼き芋と、焼き芋は別物と言っていいくらい、おいしさが違う。まきをくべるだけで、お店で買う焼き芋の味になる。アルミ箔で包んで、たき火の中に投げ入れる焼き芋は、皮が焦げがち。自分で作る石焼き芋と比べると、これまで食べていた焼き芋は何だったんだろうと思うレベル」と、自信たっぷり。
窯を下ろし、天板部分が格子状の火炉にフライパンや鍋など調理器具を載せて、「キャンプ飯」用のコンロにも。上段に載せる鉄製ピザ窯も開発中で、載せ替えでさまざまな料理が作れるようにする。
小堀社長は「非常時の熱源にも使える。1台あれば、楽しさが広がる。ぜひ一家に一台」と呼び掛けている。