「未来掴みに行って」 太極拳指導者が母校で講演 演武も披露

2023.01.09
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壇上で太極拳の演武を披露する小畠さん=兵庫県丹波市柏原町東奥で

兵庫県武術太極拳連盟・三田太極拳協会所属指導員の小畠睦さん(51)=同県丹波市山南町=がこのほど、母校の同県立柏原高校の「柏陵セミナー&柏原高校『ようこそ先輩』」に講師として招かれ、太極拳との出合いを披露したほか、なりたい自分に向かってアクションを起こし、そこでつかんだチャンスや経験を積み重ねていくことの大切さを伝えた。全校生徒(633人)と同窓生ら約20人が参加。講話のほかに太極拳を体験する時間も設けられ、生徒らは、太極拳の基本姿勢や動作、呼吸法などを教わったほか、小畠さんのしなやかで迫力のある演武を堪能した。柏陵同窓会と同校の共催事業。

演題は、「太極拳と私―未来と期待を掴んで生きていく」。講話は同窓会長の大西伸弘さんとの対談形式で行われた。

大西会長は小畠さんが高校3年の時の担任で、高校時代の小畠さんについて「落ち着いていてシャキシャキとした生徒。凛としたものを感じていた。教師も、むっちゃんと呼んでいた」などと振り返った。

高校時代はハンドボール部員だった小畠さん。太極拳は31歳から始めた。子どもの頃から貧血気味で病弱だった。26歳の時には卵巣や子宮の病気を患った。ますます貧血がひどくなり、自宅の2階に上がるだけでも倒れ込むような状態だった。血流が悪い、体力がない。これらの改善に勧められたのが太極拳だった。始めてからはぐっすり眠れるようになり、冷え性も改善。気持ちも穏やかになったという。

公認太極拳A級指導員の資格を持ち、2012、13年の県武術太極拳選手権大会の伝統器械の部で優勝し、太極剣・刀の部では2016年から4連覇を達成するなど輝かしい成績を残してきた。

「全身麻酔の手術を5度も受けてきた。そこからまさかこんな人生になっているなんて思いもしなかった」と小畠さん。「人生はつかんできたものでできている。他人から見たらつまらないことであっても、自分にはキラキラとして見える。それをつかみにいってほしい。眺めているだけでも人生は終わっていく。でも何かをつかんだことがきっかけで、ずっとつながっていくこともある」と話した。

健康のために始めた太極拳。いつしか指導員になりたいと思い始め、行動を起こした。「目的に向かって行動すると、広げていた手に少しでも何かは引っ掛かってくれる。それが繰り返されていくと、あの時つかんだものに大きなものがくっ付いていたのだなあ、つかんだものが積み重なって今の自分が出来上がってきたのだなあと、いま実感している」と語り掛けていた。

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