地域の宝「岩尾城跡」を整備
丹波市山南町和田にある岩尾城跡の石垣が麓からでも見えるようにしようと、2020年10月、ふるさと和田振興会内に「ふるさと和田里山づくり協会」を設置し、整備事業を展開してきた。3年間、取り組んできた事業がこのほど完了。先月22日、見栄えが良くなった岩尾城跡のお披露目も兼ねて登山イベントを開催したところ、100人を超える参加があり、にぎわいを見せた。整備事業の指揮を執った村上さんは、「作業現場は山頂。重労働ばかりで大変だったが、メンバーの皆さんがとても協力的で、いろんなアイデアや意見を出していただいたおかげで、より良い整備ができた」と笑顔。
和田地域16自治会の代表や山の専門家、自然や歴史に興味を持つ人など約30人が集まり、毎週土曜を基本に作業に取り組んだ。岩尾城は和田小学校(山南町和田)の裏にそびえる蛇山の山頂(標高358㍍)に築かれた戦国時代の山城。石垣が見えるよう、生い茂った木々を伐採し、登山道改修や看板設置などに汗を流してきた。
「素人がチェーンソーを使う。私をはじめ、メンバーがけがをしないか。責任者として気をもんだ」と村上さん。チェーンソーを使用できるのは安全講習修了者のみ。このルールが功を奏し、延べ約4500時間、約750人が整備事業に携わったが、けが人はなかった。
「来年度は補助金の関係もあって、どのような活動ができるのかは今のところ不透明だが、岩尾城跡は代々受け継いできた地域の宝。次代を担ってくれる若い世代も巻き込みながら、維持管理を続けていきたい」。75歳。