兵庫県丹波篠山市内の学校園の給食に、同県立篠山東雲高校フードインスティテュート類型の3年生が考案したメニュー「山の芋とにんじんの紅白揚げ」が登場した。生徒が栽培した特産・山の芋を生かしながら、正月らしさも出した。市の給食に、同校生が考案したメニューが登場したのは初めて。
カットした山の芋と金時にんじんにでんぷんをまぶし、180度の油で揚げた。味のアクセントに、山の芋には青のり粉も加えた。
生徒たちは「地産地消の大切さを伝えたい」と、山の芋を生かした給食メニューの提供を同市学校給食センターに持ち掛けたところ、快諾を得た。生徒が考案した5つのメニュー案をもとに栄養教諭がアドバイスを送り、食材の費用や調達方法、提供時期の兼ね合いも踏まえ、金時にんじんと組み合わせた揚げものを作ることにした。
2人の生徒は同市東部学校給食センターで給食づくりを体験した。その後、今年度に交流を続けている近くの多紀小学校を訪問。3年生に食育授業を行い、山の芋の栽培方法や江戸時代から伝わる歴史などを紹介した。児童が一人ずつ、山の芋を生かしたメニュー考案にも挑戦した。
3年生の男子児童は「山の芋がふわっと、ねばねばしていて、おいしかった。見た目もきれい」と言い、「地産地消が大事だと思った」と話した。
考案した東雲高の馬場瞬君は「自分で考案したメニューを『おいしい』と言ってくれて、報われた」と喜び、同校の市原蘭夢さんは「笑顔で食べてくれるのが率直にうれしかった。東雲産の山の芋を食べてくれて生産者の気持ちにもなれた」と話した。