兵庫県丹波市教育委員会は、市内で近年に発見された「高札(こうさつ)」と関連絵図など26点を一堂に集めた初の「丹波の高札」展を、柏原藩陣屋跡資料室で開いている。山南町岡本自治会で見つかった明治新政府が全国に出した「五榜の掲示」をはじめ、江戸時代の代表的な高札など、計20枚の高札を展示。高札を掲げた高札場が記された絵図も展示している。「丹波かいばら雛めぐり」開催中の4月2日まで。期間中、入館無料。
「五榜の掲示」は、丹波篠山市教育委員会から1枚借り、岡本自治会で見つかった4枚と合わせて、第一札から五札までそろえた。このほか、キリスト教を禁止する「切支丹札」、農民が徒党を組むことを禁止する「徒党札」や、徳川慶喜追討の御触書も複数枚ある。山南町北和田の堂本信悟さんも5枚の高札を提供している。
高札は、1枚の丈夫な木板で出来ており、形は五角形(駒形)もしくは四角形。多くは上部に雨風を避ける屋根が付いている。絵図では高札場のあった場所に「御制札」の文字や絵があり、当時、村の中心に高札場があったことが分かる。高札制度は、明治6年(1873)に廃止された。
神戸大学大学院人文学研究科地域連携センターとの共催。丹波市教委社会教育・文化財課主任学芸員の徳原由紀子さんは、「これだけの高札を集めた展示はなかなかない。同じ内容の高札でも、大きさや字体などが少しずつ違う点にも注目して」と話している。
会期中無休。午前9時―午後5時(20日と27日は午前10時―午後4時)。
また、同課は「他にも眠っている高札があれば知らせて」と情報も募っている。