頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちの医療用ウイッグ(かつら)に使ってもらおうと、今春中学校入学を控える兵庫県丹波市立東小学校6年生の小島劉也さん(12)が、丸3年伸ばした髪を切った。できるだけ長い髪を贈ろうと、40センチ程度をばっさり。「頭が軽い」と照れ笑いを浮かべた。
自宅で母の理恵さん(41)に、ツーブロックにカットしてもらい、両側頭と襟足は刈り上げ、頭頂部を伸ばし続け、束ねたり、団子にしたりしていた。
シャンプーやブローなど手入れに時間がかかるものの、「みんなが、かっこいいと言ってくれ、気に入っていた」(小島さん)。頭髪規程がある中学校で伸ばし続けられないと、カットを決断。切った髪をただ捨てるのはもったいないと、寄付を思い立った。
担当した同市内の美容室「瑠門」の谷口靖樹さん(45)は「男子の寄付申し出は初めて。癖がなく、やわらかな髪質」と言い、父の洋輔さん(40)は、「3年前は丸刈りに近かった。子どもの成長は早い。髪の成長も早いなあ」と、切った髪を手にする息子を感慨深げに見つめた。
髪は大阪市のNPO法人「JHD&C(ジャーダック)」に寄付する。