ふるさと自慢映像で最優秀賞 ”名演技”で地元の魅力伝える 中学生6人「町に誇り」

2023.03.28
地域

「ふるさと自慢映像大賞」でトップの最優秀賞に輝き、受賞を喜ぶ柏原中2年の6人=兵庫県丹波市柏原町南多田で

兵庫県丹波市立柏原中学校2年生6人が、同県教育委員会が主催する「ふるさと自慢映像大賞」でトップの最優秀賞に輝いた。作品タイトルは「丹波の魅力発見」。同校の生徒が侍と遭遇する夢を見る中で、▽豊かな自然と農作物▽歴史や文化▽地域の人の温かさ―の3つの魅力を知ることになるという、ストーリー仕立てで制作した。県内の中学生を対象に、自分たちのふるさとの魅力を動画で紹介するコンペで、13校から出品があり、最優秀、優秀、佳作の各賞をそれぞれ2点選んだ。

制作したのは、中尾心玲さん、三井琉生さん、蘆田翔太さん、上郡達也さん、細見優妃さん、山口あかねさん。

作品では、日本茶販売店や和菓子店の店主にインタビューをしたり、観光ガイドから柏原八幡宮などの案内を受けたりした中で、丹波霧が黒大豆、栗、小豆などの優れた特産物を育んでいることや、「水分れ」と呼ばれる本州一低い谷中分水界が、丹波市の特異で豊かな生態系と文化を生み出していることなどを知り、それらの魅力を“名演技”で伝えている。

昨年の夏休みに作品作りに取り組んだ。当時、前期委員長会のメンバーだった6人が、教師から出品を勧められ、「面白そう」と二つ返事で参加を決めた。

教師と一緒に企画、構成、撮影、編集を手掛け、延べ3週間かけて9分48秒の動画に仕上げた。

審査員からは、「タイムスリップした侍を登場させる設定が秀逸。写真やテロップ、インタビュー内容、BGMなど、どれをとっても洗練された内容で素晴らしい。地域の方との関わりも温かく、地域の方の思いに切り込んでインタビューできていた」と評価を受けた。

同校で6人に表彰状を伝達した片山則昭・丹波市教育長(71)は、「笑いを交えながらも真剣に、ふるさとの魅力を短い動画の中でアピールしてくれて、うれしく思う」と話していた。

6人は、「せりふの声のボリュームや、カメラを意識した体の向きなど、演技の難しさを実感したが、出来栄えは100点満点」と笑い、「今回の映像制作を通じて、日々何げなく過ごしている町の良い所や魅力を知ることができ、わが町に誇りを持てるようになった。また、撮影に温かく対応してくださった地域の方々のおかげで、良い作品が作れた」と受賞を喜んでいる。

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