兵庫県丹波市消防本部の職員有志が、救助技術の向上を図ろうと、ロープを使った救助訓練に特化したチーム「TITAN(タイタン)」を組織し、非番日を利用して自主訓練に励んでいる。メンバーは片桐一樹さん(40)を代表に、25―42歳の5人が在籍する。常に門戸を開いており、「練習に参加したい」とする職員が4人以上集まれば訓練を実施。現在、週1回程度行っている。メンバーは、「最新の資機材を用いた訓練で救助技術を常にアップデートしておき、市民の安全安心のため、想定できるあらゆる救助事案に対応できるよう備えたい」と話している。
同自主訓練は、職員の資質向上や行政事務の効率化などへの課題に取り組む自主的な活動を支援する「市職員自主研修グループ等育成事業」を活用して行っている。
昨年6月結成。チーム名は、市のマスコットキャラクター「ちーたん」を英語表記したものだが、ギリシャ神話に登場する勇猛な巨神一族「タイタン」、強靭な金属「チタン(チタニウム)」にもあやかった。
このほど、市内の川代公園で実施した訓練は、増水した川の中州に取り残された人を救助するという想定で行った。川代渓谷を流れる篠山川の両岸約30㍍にわたって色分けされた複数のロープを張り、滑車やカラビナなどを組み合わせたシステムをつくって救助訓練を行った。
ハーネスやカラビナ、アッセンダー(登高器)、ロープ、担架といった資機材は個人で買い揃えているという。
訓練はこれまでに、ミルネの体育館や丹波篠山市の栗柄ダムなどでも行ってきた。
代表の片桐さんは、「ここで習得した技術や知識は組織の中にも落とし込んでいきたい」と汗をぬぐった。
木上郁夫署長は、「プライベートの時間にも訓練に励み、よく頑張ってくれている。自主練で得た技術を、ほかの(消防)職員とも共有してほしい」と話している。