丹波布伝承館(兵庫県丹波市青垣町西芦田)で昨年4月から、国指定無形文化財丹波布の技術を学んでいる長期伝承生の13期生5人が、同館で初めての創作展を開いている。開講から1年で織った反物や反物のしま見本、自身の布を使った衣類や東袋など76点を出展している。21日まで。入場無料。
木綿の糸を紡ぎ、草木染めし、平織りする。半反4本が初年度の課題。1本目は経糸横糸とも購入した糸を栗、コブナグサで染め、4本目は自身がつむいだ糸を染め、横糸にくずの絹糸、つまみ糸を入れて織り上げた。染色材料、技法は同じだが、しま模様が〝5人5様〟異なっている。
2年目は、着尺を織る。染色材料も自由度が高まる。2年目に向け、5人で取り組んだ20種の植物を、石灰、ミョウバン、鉄で媒染した、60種類の染色見本も展示している。
木原伸子さん(63)=同県多可郡多可町=は、「すごく、すごく楽しく、満足感の高い1年だった。奥が深く、完成形はまだまだ先だが、2年目は自分の着物を織る。色と柄の工夫をさらにしたい」と、手仕事を学ぶ充実感を口にした。
同期生はほかに、大門千穂さん、仲井奈津子さん、高松良子さん、太附智子さん。専修生、卒業生の18人も、51点を協賛出展している。