卒業式を先月23日に終えた兵庫県丹波篠山市立多紀小学校の卒業生22人が同月25日、母校のトイレの雰囲気を明るくしようと、同校のヒーローを描いたプラスチック製のボードを貼り付けた。特に下級生から「トイレが暗くて怖い」という声が出ており、これを解決するのが児童会の“宿題”だった。児童会とPTAとのパートナーシップ事業の一つとして取り組み、卒業生が最後の大仕事を終えた。新学期に登校する在校生へのサプライズにしようと、卒業式後のタイミングで日程を調整した。
縦90センチ、横180センチのプラスチック製のボードに同校のヒーロー、オオタン(オオサンショウウオ)、カメタン(ニホンイシガメ)、ヨツナ(オヤニラミ)を描いた4枚を創作。1、2階の男女トイレに1枚ずつ貼り付けた。
卒業生は、4年生の時に環境学習を入口に、同校のヒーローを生んだ学年。愛着のあるヒーローを中心に据え、虹や手形を添えて明るい雰囲気に仕上げた。
「トイレが暗い」という問題には今年度当初から取り組んでおり、児童会でどんなふうにすればよいかをアンケートで聞き取った。その中で、「虹の絵を描きたい」というアイデアを採用。卒業生が具体的にどんな絵を描くかを考え、PTAがプラ板に描くなどの手法を考えたり、画材を用意したりした。
PTAの細山敦史会長は「むちゃくちゃ良い感じ。トイレが明るくなる」と笑顔。児童会長だった馬場柚希さんは、「在学中は、ちゃんとしないと、という意識があったが、今日はわいわいがやがやと自由な雰囲気の中でできたのが楽しかった。思ったよりもきれいに仕上がったので、後輩たちが喜んでくれたらいいな」と話していた。