地域住民に近場でグラウンドゴルフを楽しんでもらおうと、兵庫県丹波市市島町上竹田出身の髙見保博さん(68)=大阪市=が、実家の畑を整地し、グラウンドゴルフの練習場を整備した。2014年8月の丹波市豪雨災害で土砂が入り込んで以来、使い道がなくなっていた畑を、近隣の高齢者のために生まれ変わらせた。髙見さんは「高齢者らに遊んでもらえたら。地元のにぎやかさを感じられる場所になればうれしい」と話している。
竹田川沿いで、「活眼不動尊」がある十市自治会の倉崎集落。練習場は広さ10アールほどあり、15―30メートルの計8ホールを設けた。現在は大阪市で福祉関連の会社を営んでおり、週末に帰って来ては京都府福知山市の友人と土地を整地し、真砂土を入れてならした。
市豪雨災害で土砂が入り、物置に使うよりほかなかった土地。自身が親しむゴルフのパット練習場にしようかと思案していたが、集落の高齢者がグラウンドゴルフをするのに、川向こうの大杉ダム自然公園など離れた場所まで行っていることを聞き、歩いて行ける場所で楽しんでもらえたらと、汗をかいた。
整備中から、通りがかった住民に「何をつくりよってんや」と声をかけられていたこともあり、特に案内しなくても、完成後には高齢者が集う場になった。水はけも良く、重宝されており、晴れた日にはボールを打つ乾いた音が集落に響いている。
同集落の髙見正之助さん(94)と髙見愛子さん(92)は、「ここなら歩いて行って、すぐに練習できる」とにっこり。川向こうから練習に来ている荻野泰博さん(77)は、「みんな喜んでいる。いきいきサロンでも使わせてもらいたい」と話している。
近くに看板を立て、目印にしている。誰でも利用できる。