兵庫県丹波篠山市今田町立杭地区の丹波焼窯元群などで5月3―5日、「第17回やきものの里 春ものがたり」(やきものの里プロデュース倶楽部主催)が開かれる。各窯元の工房が開放され、陶工の“手しごとの妙”を間近で見られる催しや、マルシェが開かれるなど、丹波焼の魅力を伝える多彩な催しを展開。また、プレイベントとして最古の登り窯を使った焼成や、「丹波焼春の軽トラ市」も開かれる。
約50軒の窯元で匠の技を間近で見学できる「開放(オープン)工房」は、工房や窯場でろくろの実演や釉薬かけなどの伝統技法を見学でき、窯元によっては写真や動画の撮影もできる。陶器の割引などもある。
毎回、好評を博しているマルシェは立杭陶の郷(同町上立杭)の中庭で実施。「トチノキマルシェ」と銘打ち、パンや焼き芋、日本酒、カレーなど13店の飲食や物販の店が軒を連ねる。
無料通信アプリ「LINE」を使ったスタンプラリーも実施。抽選で丹波焼を贈る。
プレイベントで1895年に築窯され、現存する丹波焼最古の登り窯を使った焼成は2―4日に実施。2日午後4時ごろに点火し、窯元らが24時間体制でまきをくべて作品を仕上げる。
軽トラ市は4月29日午前10時―午後4時に兵庫陶芸美術館(同町上立杭)入口周辺の市道の一部で開催。23軒の窯元が軽トラックの荷台で陶器を販売するほか、11店の物産・飲食店が出店する。
ほかにも若手作家でつくる「グループ窯(よう)」が3―7日、陶の郷で大物作品展を開くほか、4日午前10時―午後3時半、ぐい飲みに自分で釉薬を塗って七輪で焼成するワークショップも開く。
実行委員長の大上磯松さんは、「近年、若い人がたくさん訪れてくれることがうれしい。コロナ禍も少し収まり、出かけようという人もいるはず。窯元を訪ねてもらえたら」と来場を呼びかけている。
春ものがたりの詳細、期間中に開かれるそのほかのイベント、窯元の所在地などを掲載した冊子を各窯元や施設、市役所、観光案内所などに置いている。