中高年で再就職 職業訓練校の運営会社で活躍中 「職務経歴書」でマッチング

2023.05.30
丹波市地域

レジリ社代表社員の山本さん(中央)と、職業訓練コースの受講がきっかけで同社に就職した吉澤さん(左)と奥田さん=兵庫県丹波市春日町下三井庄で

職業訓練校の運営などを手がける「レジリ合同会社」(本社・兵庫県丹波市氷上町石生、山本真義代表社員)で、同社の訓練コースを修了した2人がスタッフとして力を発揮している。同市氷上町下新庄の奥田孝夫さん(61)と、同市山南町谷川の吉澤仰さん(59)。就職に向けた職務経歴書作成のための面談などを行う中で、同社の求める人材と2人の希望が一致することが分かり、中高年での再就職につながった。

同社は、大阪市内の職業訓練会社に勤めていた山本さん(64)が2021年1月に設立。兵庫県立但馬技術大学校の委託を受け、主に雇用保険を受給している人を対象に、柏原自治会館で年2回、パソコンやウェブなどの職業訓練コースを開講している。一方、常時の事業として、就労継続支援B型事業所「もくもく農園」(丹波市春日町下三井庄)と、障がい者グループホーム「すてっぷホーム」(同、同市柏原町柏原)を運営している。

社名の「レジリ」は「レジリエンス」の略。回復力や復元力と訳され、「しなやかに適応して生き延びる力」を企業理念とする。同社が職業訓練の一環で重視しているのが、「職務経歴書」だ。定型化されていることが多い履歴書とは異なり、これまでの職場で経験した実務内容や、身に付けたスキルを文章でまとめる、いわば「キャリアの棚卸し」という。奥田さんと吉澤さんは「書き出すことで、自分の持っているものは何かを改めて考える機会になった」と振り返る。

奥田さんは、以前勤めていた会社でデザイン、画像編集ソフト(イラストレーター、フォトショップ)の技術を身に付けており、ウェブも学びたいと、同社のコースを受講した。職務経歴書の作成を通じて「できて当たり前かと思っていたことが、そうではないと分かった」。自信をつけ、ソフトメーカーの資格も取得して、個人事業主として仕事を始める傍ら、昨年、同社にスタッフとして就職。職業訓練の講師を務めるなど活躍の幅を広げた。

吉澤さんは、イタリアで長年暮らし、同国でレストランを経営する夫と共にワインを調達したり、ワインツーリズムのガイドをしたりした経験を持つ。「農業をしながらパソコンを使うような仕事」を希望し、同社の訓練コースを受講。かねてから山本さんが抱いていた「自分たちが育てた野菜を使ったレストラン」という夢に向かう仲間としてスカウトされた。利用者のサポートをはじめ、「役に立つことなら何でも」の姿勢で、さまざまな仕事をこなしている。

山本さんは「就職のためには、まずは自分のことをよく知ることが大事。障がい者の雇用の場合も同じ。企業側も、もっと職務経歴書を活用すれば、良い人材が採用できると思う」と話している。

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