日本庭園研究の権威、重森三玲氏が作庭した「住之江の庭」がある兵庫県丹波篠山市の住吉神社の氏子らが、同庭や社務所の前庭、竹垣などを手入れしたり、清掃したりした。同神社は伝統的建造物群保存地区(伝建地区)内にあり、今月22―24日に開かれる全国伝建地区協議会の「丹波篠山市大会」の際には多くの関係者が訪れることが見込まれている。
同庭は2018年度から3カ年をかけて地元住民や有志らで修復。2020年2月には県指定文化財(「名勝」部門)に指定された。この日は修復作業に参加していた、大阪や岡山などから駆け付けた人たちを含む15人ほどで修復時の美観を取り戻した。
氏子が月1回、清掃に努めているが、普段は手が回らない草刈りや竹垣の修理、コケの植え替え、住之江の庭の砂利に曲線の筋を描く「砂紋かき」などに汗を流した。コケの植え替えなどは丹波篠山市内の造園業者が指導した。全国大会の際に、社務所から同庭を抜ける通り道を付ける作業も行われた。
氏子総代の畠中正人さん(78)は、「普段は7集落が交代で清掃している。ボランティアの人や専門家の指導もあって、きれいになった。全国から来られた人に、こんなにきれいな庭があるんだということを知ってもらえれば。これからも、できる範囲で維持に努めたい」と話していた。
この作業とは別に、神社周辺の住民らが溝を清掃したり、街角のプランターの花を手入れしたりする姿も見られ、全国大会を前に歓迎ムードが広がっている。