困窮者の就職も支援 スーツの貸し出しも 開設10年、丹ワークサポート

2023.05.27
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開設10周年を迎えた丹ワークサポートたんばのスタッフ=2023年5月12日午前10時56分、兵庫県丹波市春日町黒井で

兵庫県丹波市役所春日庁舎内に設置され、一般求職者をはじめ、生活困窮者や障がい者らに職業紹介や就労支援を行っている「丹(まごころ)ワークサポートたんば」が、今年4月で開設10周年を迎えた。生活相談のために同庁舎に来た住民が就職相談も受けられるワンストップ型の機関として兵庫労働局と丹波市が連携して開設した。生きづらさを訴えて相談に来た人が、スタッフの支えを受けて立ち直り、就職した事例もあり、実績を上げている。

ハローワークの職員や市の就労支援員のほかに、ひきこもりや生活困窮者らの支援をしているNPO法人ニュートラル(本部・京都府福知山市)のスタッフもおり、計6人で業務に当たっている。同法人のスタッフは、▽就職や仕事に関する不安や悩みに応じる心理相談▽就職活動の進め方のアドバイスや応募書類の添削、模擬面接などを行うキャリア相談―を担当している。

同様の機関は県内8市にあり、丹波市は5番目に開設された。以来、今年3月末までで延べ累計約4万7200人が利用、就職した人は1900人を数えた。また、心理相談やキャリア相談を受けた人は延べ約5500人。生活相談に応じる市の健康福祉部が3年前、春日庁舎から本庁第2庁舎(旧氷上保健センター)に移ったため、毎週木曜日には同第2庁舎で出張相談を行い、同部との連携を図っている。

これまで、生きづらさを抱える人からの相談を受けた保健師が同機関につなぎ、就職した例や、生活保護を求めて担当窓口に来た人が同機関を通じて就職した例もある。ひきこもりからの脱出を願う人、年金が乏しい高齢者、ひとり親らの来所もあるという。また、生活困窮者には事業所での面接用にスーツなどの洋服を貸すことがある。

市内への進出企業の雇用支援として同機関のスタッフや市職員が企業に出向き、情報を入手し、紹介につなげるなどの活動もしている。春日や市島地域の住民にとっては、手近な就職相談の窓口になっている。

柏原公共職業安定所の砂川雅城所長は、「ハローワークの情報は全てワークサポートたんばに入っているので、生活困窮者だけでなく一般求職者も気軽に立ち寄って相談してほしい」と話している。

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