今年3月で閉校となった、兵庫県丹波市の鴨庄小学校を活用したイベントを開催し、地域を盛り上げるプロジェクトを、同市鴨庄地区内の有志約10人が始動させる。第1弾として、「鴨庄音楽祭」を14日午前10時から同校体育館で開く。主催する鴨庄秋祭り実行委員会の三澤孝夫さん(61)は、「年間を通じてイベントを開いていければ。地元の人で有効活用し、子どもたちの声が聞こえていた時のようなにぎわいを」と力を込める。入場無料。
同地区に縁のある人を中心に、アマチュア11組が出演。住民によるハーモニカグループや、「お母ちゃん」たちによるコーラスグループ、子どものダンスグループ、高校生や住民で結成したバンド、出身のサックス奏者など個性豊かな顔ぶれがそろう。それぞれ10―30分ほどのステージを披露する。
実行委員会は屋台を出店する。弁当や唐揚げ、ジュース、ビールなどを販売する予定。
三澤さんは「音楽祭は年に3―4回はしたい。将来は厳選したプロのみが出演できる『フェス』も開きたい。フェスには、音楽祭の中で推薦された人が出演できる枠なんかを設けられれば面白い。鴨庄を音楽の村にしたい」と展望を描く。
2019年から3回開いてきた秋祭り、ビアガーデン、落語会などの開催も思案している。
同校閉校後、住民から「子どもたちの声や姿が聞こえない」「電気が消えていて寂しい」といった声が聞かれる中、「たくさんの思い出が残っている小学校だからこそ、生き生きとした姿であり続けてほしい」と、30―70歳代の有志がプロジェクトの立ち上げに賛同。イベントを企画・運営する。
実行委員の一人で、同校OBでもある高見忠寿さん(40)は「鴨庄の中で、人が集まる中心的な場所だった」と母校への思いを語る。三澤さんは「あくまで僕たちはボランティア団体。誰かが無理をするとイベントは続かなくなる。力を抜いてやっていければ」と話している。