兵庫県丹波市立船城小学校が、間伐材を生かして作った生ごみ処理機「キエたん」を導入した。給食の残飯の処理時に使用しており、同市の課題になっているごみの減量化につなげながら、児童が持続可能な開発目標(SDGs)を学ぶきっかけにする。
キエたんは、同市春日町平松地区を拠点に活動する「平松区森林愛好会」が、地域の山などで間伐した木材を使って製作、販売している。生ごみを埋めるだけで、土の中の微生物の働きで分解する。通気性が良いため、臭いは発生しない。
昨年度の3学期、同校は「ふなキッズSDGs」と銘打ち、▽給食を残さず食べる▽電気を小まめに消す▽水を出しっぱなしにしない―などの目標を学年ごとに設定し、実践してきた。「実際に何か継続的に行動していくことで理解が深まるのでは」と考え、SDGsの実践につながるきえタンを、市教育委員会の補助を受け、今冬に導入した。
底付きの標準タイプ(幅100センチ、奥行き60センチ、高さ75センチ)の2つを児童玄関の横に設置。給食の残飯が出ればまとめ、同校の施設管理員がスコップで穴を掘り、埋めている。6年生の児童は「食べ物が分解されて、無駄にならないから良い。給食を残さないように意識するようになった」と話す。
足立正徳校長は「捨てられないものは、ミカンの皮や野菜の芯などの一部。元々よく食べる子たちが多く、残すことは少なかったが、出ている残飯の量はさらに減っている」と言う。今年度は、学年に応じ、総合的な学習や生活科の授業でSDGsを取り入れる方針で、「SDGsについて考える良い入り口になる」と期待している。
市内の小中学校では、大路小学校も、市教委の補助を受けてキエたんを導入。今後使用していく予定という。