移住の木工作家がギャラリーカフェ 作品見ながらスイーツも 地域住民も「一服」に

2023.06.08
地域観光

移住後3年でギャラリーカフェ「ツバメヒュッテ」を開店した稲葉さん夫婦=兵庫県丹波篠山市福井で

兵庫県丹波篠山市福井に3年前に移住した稲葉崇史さん(52)、加奈さん(44)夫婦が、自宅そばの農業用倉庫を改装し、ギャラリーカフェ「ツバメヒュッテ」をオープンした。店内には木工作家の崇史さん制作のいす、机、器や、作家仲間15人ほどの絵画、陶器、ガラスなどの作品を展示。ワークショップも開いている。また、加奈さんが同店オリジナルのスイーツ、紅茶、ハーブティーを提供している。

崇史さんは2000年から奈良県生駒市で創作活動をしていた。10年ほど前、加奈さんと丹波篠山市内で立ち寄った木造のカフェに良い印象を持ち、「開けた田舎」の雰囲気が気に入った。

工房と自宅が別々だったこともあり、工房、ギャラリー、自宅が一体にでき、加工音で迷惑がかからない場所で、飼い犬が走り回れる広い土地を探し求めた。

崇史さんの木工作品などが並ぶ店内

10年ほど前のイメージの良さや、工芸イベント「丹波篠山クラフトヴィレッジ」が開かれるなど、作家がたくさん移住していることなどが決め手となり、丹波篠山市内で物件を探した。建築を依頼しようと思っていたログハウス業者から福井の物件を紹介され、「理想の物件」にたどり着いた。

2020年2月に移住。ログハウスの自宅を建て、工房「INABA WOOD WORKS」の建築は崇史さんも手伝った。

もともと取り壊す予定だった農業用倉庫は、近くの櫛石窓神社から移築されたことや、古いものを生かしたいとの思いもあり、ギャラリーにすることにした。移住後、崇史さんが大工に手伝ってもらいながら農業用倉庫をリフォーム。外観はそのままの状態で、内装は古材をできるだけ再利用した。壁はしっくいで仕上げ、あえてまだらに塗り残した。外観とのギャップや、造り込んでいない内装に客の反応も上々だという。

ギャラリーを身近に感じてもらおうとカフェを併設することに。食器類は崇史さんや展示作家の作品を使用。メニューは、地元福井のスイーツ店「ウッズビー」オリジナルのリンゴの包み焼きパイ「クルスタッド」などのスイーツや、「ツバメヒュッテ」オリジナルの紅茶、ハーブティーを提供。コーヒー、ソフトドリンクもある。

同店にはチョコレート色の看板犬、ラブラドールレトリバーがおり、客に人気。近くテラス席が完成し、犬も同伴できるようになる。

山や田畑に囲まれた同店には、地元福井の住民も農作業後の一服に訪れている。崇史さん、加奈さんは「地元の福井の方はウェルカムな感じで、皆さん優しい。移住してきて良かった」と喜んでいる。

崇史さんの作品や展示会告知、ツバメヒュッテの情報はインスタグラム(QRコード)で。ツバメヒュッテの営業は原則、水、木、金、土曜の午前11時―午後5時。

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