つる性植物のマタタビが、枝先の葉を緑色から白色に変化させ、深緑に包まれた丹波(兵庫県)の里山にアクセントを添えている。ネコ科の動物が陶酔状態になることでも知られる。受粉には花粉をハチなどの昆虫に運んでもらう必要があるため、花が咲く時期に葉を白くし、甘い花の香りが届かない場所にいる昆虫にもアピールしているという。通りがかった住民は、「毎年、梅雨時期に見かけていたので、これまでは葉っぱにカビが生えていたものとばかり思っていた」と笑っていた。
周囲の木々にもたれかかるようにして枝を伸ばし、緑色の葉を茂らせているが、枝先の葉の多くが白く変色している。
本当の花は葉の裏で下向きに咲き、直径2センチ程度。ウメの花に似るため、ナツウメ(夏梅)の別名もある。
葉が白くなるのは表側のみ。葉が白くなる現象について、岡山理科大学旧植物生態研究室(波田研)のホームページでは、「表皮組織あるいは表皮と葉肉との間に空気を含む層が形成され、光を乱反射して白色に見えるようである」と解説している。