兵庫県篠山警察署はこのほど、電子マネーカードを購入させる特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、ローソン篠山古市店の店長、後藤道代さん(54)と、店員の松田龍一さん(26)に署長感謝状を贈った。同店が感謝状を受けたのは3度目。
同署によると、5月23日午後零時55分ごろ、50歳代の常連の男性客が来店し、1万円分の電子マネーカードを購入しようと、松田さんにスマートフォンに表示した画面を見せながら「このカードが欲しい」と尋ねたという。不審に思った松田さんは詐欺ではないかと男性に何度も確認。後藤店長が購入理由を尋ねると、「副業で仕事をするため、口座の電子登録料金として電子マネーが必要」などと説明したことから、特殊詐欺を疑い、同署に通報した。
男性客は駆け付けた警察官に説得され、購入をやめた。
贈呈式は同店で行われ、山本隆美署長から感謝状を受け取った松田さんは「よく知っている人だったから明らかに怪しいと思い、何度も聞き返すことができた」と言い、後藤店長は「警察からの指導もあって、不審に感じたら積極的に声かけを行っているが、中には腹を立てられるお客様もいらっしゃるので難しいところ。でも、被害が多いと聞いているので、これからも気になる人には声をかけていきたい」と話している。
山本署長は、「この手の詐欺は、最初は1万円だが、手続きに失敗したと、どんどん金額を釣り上げて振り込ませるのが常とう手段。客に声をかけるのは勇気がいることだが、積極的に対処していただき、ありがたい」と感謝していた。
今年1―5月末時点での特殊詐欺被害件数は1件、相談件数は13件。