定員1万人を”復活” 来年のABCマラソン 制限時間緩和協議へ

2023.07.31
地域注目

今年3月に開かれた大会の様子=兵庫県丹波篠山市北新町で

兵庫県丹波篠山市の「第44回丹波篠山ABCマラソン」の第1回実行委員会が、同市内で行われ、来年3月3日開催の同大会は参加人数をコロナ禍前までの1万人に戻し、しし汁の振る舞いも再開するなど、従来の内容に復活させることを決めた。一方、近年、各地のマラソン大会で定員割れが起きていることを受け、委員から「この状況下で1万人が戻ってくるとは思えない。ネックとなっている厳しい制限時間(5時間10分)を緩和すべき」との意見が出され、酒井隆明市長は、「警察と協議していきたい」と、緩和を検討する方向性を示した。

今年の43回大会は定員を4000人に絞って開催。ただ、定員を減らしたことで参加費が1万2000円と高額になったことなどから、エントリーは2883人にとどまった。ランナーからは、「金額よりも、コロナ禍で思うように練習ができず、制限時間の厳しいABCを避けた」という意見もあった。

これらの状況を受け、次回大会は参加費を8700円にまで値下げ。しし汁や沿道での振る舞いを再開するほか、ペースランナーの導入、ユーチューブでのライブ配信、「日本全国お城マラソンを走ろう」企画への参加など、新たな要素も盛り込んだ。事務局は、「定員を1万人に戻して以前と同じにぎわいを取り戻し、本当の意味での復活を図りたい」とした。

一方、委員からは、「人気がある大会との差別化を図る必要があるが、一番のネックは制限時間で、大きな大会は制限時間が7、8時間。新しいランナーを迎え入れようとするならば、何とか制限時間を延ばすことはできないか」などと意見が出された。

酒井市長は、「市民の理解も得なければならず、一気に変えるのは難しい」としつつ、「とにかく警察にお願いし、可能ならば次回に反映する。無理な場合は45回大会から変えていきたい」とした。

市民申し込みは9月19―10月2日、一般は10月3―31日。定員に達し次第、締め切る。

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