はしご登はん県優勝 消防本部発足以来の快挙 25日、札幌で全国大会

2023.08.25
地域注目

全国大会に向け、はしご登はんの訓練に励む竹重消防士長=兵庫県丹波篠山市野中で

兵庫県、大阪府の消防救助隊員が一堂に会し、救助技術を競う「第51回消防救助技術近畿地区指導会」がこのほど、大阪市消防局高度専門教育訓練センター(東大阪市)で開かれ、丹波篠山市消防本部の消防士長、竹重正博さん(32)が、陸上の部の7種目のうちの「はしご登はん」訓練で県1位に輝き、優勝者のみに与えられる全国大会出場の切符を手にした。同消防本部から約30年間出場を続けているが、頂点に輝いたのは消防本部発足(1978年)以来初。竹重さんは、「署の先輩方や同僚らの支援や応援、家族の協力が力となり、好結果に結びついた」と感謝し、「兵庫県の消防救助技術のレベルは高いと聞いている。全国大会では、その呼び声に恥じない訓練を披露したい」と気合を入れている。全国大会は8月25日、北海道札幌市で行われる。

同指導会には、兵庫県内24消防本部と大阪府内26消防本部から選抜された計約990人の消防隊員が参加。陸上、水上の両部各7種目に分かれ、訓練を披露し技術を競った。

竹重さんが出場した「はしご登はん」訓練には、兵庫県から40人、大阪府から29人がエントリーした。

「はしご―」訓練は、はしごが設置された塔前5メートルの位置からスタートし、ロープとカラビナ(固定金具)で命綱を作り、自己確保の結索を行った後、垂直のはしごを15メートル駆け登り、安全確実性と所要時間を評価する。実際の活動現場では、安全第一が求められるため、競技でも、自己確保の結索などにミスがあると、いくらはしごの登はんが速くても入賞資格は与えられない。

竹重さんは、13秒21をマーク。2位に1秒17差をつけ優勝した。兵庫県、大阪府それぞれで全国大会出場権を懸けて頂点を争ったが、竹重さんは、大阪府の1位の記録より0・08秒速かった。

「第51回消防救助技術近畿地区指導会」の「はしご登はん」訓練で消防本部発足以来の県優勝を果たし、全国大会出場を決めた竹重消防士長

丹波篠山市消防本部では毎年、ゴールデンウイーク明けから同指導会を意識した訓練を開始するが、竹重さんは昨冬から、6階の建物に相当する訓練塔の階段を猛ダッシュするトレーニングに励み、足腰を中心に鍛えてきた。「ダッシュは20本を目標に取り組んできた。はしご登はんに挑戦し続け7年。ようやく結果が残せた。これまでこつこつやってきたことが間違いではなかった。ようやく報われた」とほほ笑んだ。

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