本堂にポツポツと落とされるコウモリのふんに悩まされていた兵庫県丹波市内のあるお寺が、侵入口と思しき本堂天井板の割れ目に忌避剤をスプレーしたところ、落下物の数が減った。盆は施餓鬼の仏事もある。掃除して清潔にしているとはいえ、壇家が通る場所。気持ちの良いものではなく、「いなくなってくれれば」と願っている。ほ乳類のコウモリは鳥獣保護管理法で保護され、環境省、自治体に届け出なしの捕獲は禁止されている。対策は、追い払いと、侵入口をふさぐことが基本。木造の本堂は対策が難しい。
今年春頃から、本堂出入り口の畳の上に、折れた鉛筆の芯状の、長さ1センチ、幅2、3ミリ程度の小さな黒い塊を見るように。2019年にふん害に遭い、ネットを張るなど対策を施したところ、いったんやんだが、また始まった。
新型コロナウイルスの起源が中国・武漢のコウモリ。コウモリへの忌避意識がコロナ禍前より高まっている。
丹波市環境課によると、コウモリに関する相談は少ないが、駆除業者でつくる一般社団法人・県ペストコントロール協会(神戸市、078・576・2633)を紹介している。業者対応は有料。
福岡県朝倉市がウェブに掲載しているコウモリ対策は、▽忌避剤の使用▽強い光に弱い習性を利用し、ライトなどの強い光で誘導し、家の外に追い出し、侵入口をふさぐ▽専門業者への依頼▽超音波発生装置の使用―など。家の構造上、侵入口をふさぐのが困難な場合は、侵入口にCDやアルミ箔を設置すると、コウモリが出す超音波が乱反射し、近づきにくくなるとしている。