全国的、全世界的に観測史上最も暑いといわれる今年の夏も、盛りの8月が終わった。兵庫県丹波市は柏原(気象庁アメダス)の日平均気温が28・4度と、平年値(1990年からの30年)を1・5度上回り、1979年の観測開始以来、2010年、20年に次ぐ、3番目の暑さだった。気温35度を超える猛暑日が14日あり、37・6度(5日)を最高に37度超えが4日あった。夜になっても気温が下がらず、25度を下回らない熱帯夜が9日あった。7月14日から8月14日の台風7号までの1カ月はほぼ雨が降らず、台風の大雨で農作物に影響が出ている。
日平均気温、日最高気温は観測史上3番目、日最低気温は同2番目。月降水量は、台風7号の接近で15日に190ミリと、平年の8月ひと月分を上回る雨が1日で降ったが、台風の前触れの雨が14日に降るまで8月雨量は0ミリだった。日平均気温が平年値を下回ったのは、15日と17日のみで、「いつもより暑い日」が続いた。
7月末から台風7号襲来までの高温乾燥の影響で、夏野菜の生育が悪かった。ピーマンは不作、トウガラシは短かかった。
今が旬の大粒系ブドウも、水をまく設備がない農園では、木なりで水分が抜け、しわしわの「干しブドウ」のように、皮がふにゃふにゃに柔らかくなる現象が起きている。丹波市内のある農園では7月末に葉が枯れ始め、かけていた袋を外すと、しわができていたという。「甘味はものすごく強いが、収穫したてなのに何日も置いてしおれたみたいで、売り物にならない」と嘆く。
コメも熟れるのが早く、稲刈りが数日―1週間ほど早まっている。盆を過ぎても夜間気温が高いままで、登熟に障害が出て小粒になったり、乳白米による等級落ちが懸念されている。
丹波農業改良普及センターによると、「丹波三宝」のうち、丹波黒大豆と丹波栗は、現時点で影響はさほどないという。丹波黒大豆は台風後の生育調査で、主茎長、主茎節数は前年とほぼ同じだった。水をあてていないほ場はかなり弱っていたが、台風の雨で回復している。花の咲き具合、さやのつき具合は現時点では見通せない。
丹波大納言小豆は出来、不出来の差が「極端」という。種まきが7月20日以前のほ場は良く、それ以降は乾燥による発芽不良で、発芽が遅れ、雑草に負けている。また、排水の悪いほ場は台風の大雨で湿害に遭い、冠水しなかったほ場も徒長気味で、芳しくはないという。