「丹波星空グランピング　SHIGURA　RESORT」の利用を呼びかける運営会社の大野義啓社長＝兵庫県丹波市青垣町大名草で

兵庫県多可郡多可町との市町境、同県丹波市青垣町大名草の国道427号播州峠入り口に、グランピング場「丹波星空グランピング　SHIGURA　RESORT」がオープンした。山々に囲まれ、風の音、川のせせらぎ、鳥の鳴き声、夜には視界を埋め尽くす星空が広がる「本物の非日常が味わえる場所」として、都市部のファミリー層らに売り込んでいく。

2000年のアジア柔道選手権大会で、韓国代表で銅メダルを獲得した元柔道家で柔道整復師の大野義啓さん（48）が社長を務め、介護・福祉・教育・研修事業を手がける「ドリームファクトリー」（本社・大阪市平野区）が運営する。

ドームテントの室内。直径5、6、7メートルの3サイズがある。Wi-Fi、エアコン完備

室内から夜空を眺められる4棟のドームテント（1棟定員4―8人）、2棟のシェルテントのほか、オートキャンプサイトもある。日帰り利用もできる。敷地の中心に子どもが走り回れる丘と、星を見るためのいすがある。ドームテント、シェルテントにはシャワー、トイレが完備。星を見上げながら食事ができるよう、掘りごたつ、たき火台を設けている。

食事は、県産しらさぎ牛サーロイン、丹波地鶏、地元の地鶏の卵、野菜、米を使ったバーベキューやすき焼きなど。ピザ作り、四輪駆動バギー、ドローン、テントサウナ、高濃度酸素ボックスなどの有料アクティビティも用意している。

宿泊料金（シーズン、曜日で変動）はドームテントが5万820円から、オートキャンプは7150円から。日帰りはドームテントが7150円から、オートキャンプは3850円から。食事は「県産しらさぎ牛＆丹波の新鮮野菜のボリューム満点BBQコース」（6050円）など各種（季節で変わる）。

同施設ホームページのほか、国内大手旅行サイトからも予約できる。同施設（0795・86・8844）。

同社は介護事業で、利用者を「元気に前向きな気持ちにする」ことを目指しており、新型コロナでダメージを受けた業績の回復、社の成長に新規事業を模索する中で、自然の中でストレスを解消するグランピングを思い立った。「アウトドア流行に乗ったのではない。コロナが終わった後もストレスは長く尾を引く。顧客に提供したいサービスの原点『元気で前向きに』を実現するために参入した」と大野社長。

自然に親しみたいが虫は苦手、という女性や子どもが多く、清潔感への要求度も高いことから、キャンプ場ではなく、一段グレードの高いグランピングとした。

「青々とした森。山の稜線、どこを見ても絵になるロケーション。イチョウやサクラも植わっていて、四季折々飽きない景色が見られる。星屑までもが見られる最高の場所。地元の大名草自治会をはじめ、地元を大切にしたいとの思いを込め、『神楽（しぐら）』を施設名に入れた。地域と連携し、アクティビティを開発したり、周辺の観光に誘客したり、ここが核になり新たなビジネスが生まれたり、さまざまな波及効果を生めるようにしていきたい」と意欲を燃やしている。

5年ほど前から丹波市春日町で農業体験をしており、「自然に触れると人は元気になる」と実感。専門学校の後輩が大名草で始めた会員制キャンプ場を訪れ、ここで事業をしたいと、自治会所有地を賃貸で借りた。民家から離れ、加古川起点より上流の広芝川と国道に挟まれた場所。

経済産業省の事業再構築補助金を受けている。ネットで支援を募るクラウドファンディングにも挑戦中。

【グランピング】　グラマラス（魅力的な）とキャンプを組み合わせた造語。テント設営や食事の準備なしに、手軽に快適に楽しむ豪華なキャンプ