兵庫県丹波篠山市今田町の民家の庭先にマメ科の一年草、タヌキマメが青紫色の小さな花を咲かせ、そよ風に揺れている。
名前の由来ともなった毛むくじゃらの果実をぶらぶらと付けた20株ほどが生えている。
家人によると、「今年は猛暑で水不足の影響からか、生えている数は平年の3分の1程度」という。自生していたものではなく、20年ほど前に市東部から採取した30粒ほどの種から増え、今に至っているという。
兵庫県では絶滅危惧種に指定されていないが、市内の自生地はわずか数カ所と珍しい。
草丈は20―50センチあり、茎の先端や分枝した枝先に1センチほどの花を咲かせる。花期は8―9月。葉は笹の葉のように披針形で、長さは数センチ―10センチ。アジア東部―南東部にかけて広く分布。日本では、本州、四国、九州の湿地やその周辺の野原や土手などに自生する。