兵庫県丹波市柏原町鴨野の加茂神社で、本殿裏扉の鍵が壊される事態が相次いでいる。6月の新調後、半年で4度目の被害が確認された。さい銭は残っているが、鍵が壊された後は、壊されていない時にはある100円玉が少ない、あるいはない。本殿内に侵入した証拠はなく、関係者はさい銭泥棒と判断するに至っていない。「泥棒ではなく、単に鍵を壊したいだけの愉快犯かもしれないが迷惑。いい加減にしてほしい」と憤っている。
3、4年前にさい銭盗に遭ったのをきっかけに回収方法を改めた。その際、裏扉に取り付けた南京錠が3年ほど前に壊された後、今春まで3年ほど無施錠だった。
「さすがに不用心」と、6月3日に新品を設置したところ、7月8日に鍵の金属プレートを止めるねじをドライバーで緩めた痕跡を確認。最初の被害に遭った際、外せないようにねじ山をつぶした。すると、ドライバーかバールのようなもので、力ずくで鍵を壊されるようになった。
8、9、10月と続き、9月の被害時に丹波署に通報。同署のアドバイスで、裏扉に警告文書を貼った。同署が警戒を続けていた9月下旬―10月上旬は異常がなかったが、警戒が解かれた後、4度目の被害に遭った。
宮当番は、8月からさい銭回収の頻度を増やして自衛。10月8日の秋祭り後にさい銭は回収済み。21日に自治会長が見回った際も裏扉に異変はなかった。
裏扉から入った本殿内には、さい銭回収用の箱と祭りで使う木材が積んであるぐらい。回収箱に1円、5円、10円、50円玉は残っており、空になったことはこの間、1度もない。犯行前に、いくらさい銭が入っていたのか勘定する術がなく、被害に遭っているのかどうかがはっきりしない。内部の器物破損、いたずらの形跡はない。
宮総代の高松伸也さん(60)は「何が目的なのか分からないが、さい銭目当てでも、せいぜい1回数百円。私を含め自治会の多くの人が気にかけ、とても迷惑している。即刻、やめてもらいたい」と訴えている。