秋の風物詩「タカの渡り」が、澄み切った秋の大空で繰り広げられている。「タカの渡り」は、繁殖地と越冬地の間を定期的に行き来するタカの生態行動。記者が9月25日午前中、兵庫県丹波篠山市内の山頂付近で観察したところ、大型のタカ、ハチクマを10羽程度確認した。
ハチクマはハチを主食にし、翼を広げると130㌢ほどになる。午前10時10分、ハチクマが上昇気流に乗って集団で旋回する様子(タカ柱)を確認。その約5分後、南西方向に向け、次々に飛び去った。
25年間、丹波地域のタカの渡りを調査している丹波野鳥の会会長の梅津節雄さん(69)によると、渡りに適した条件は、雨が降り続いた後の快晴の日。時間帯は上昇気流が発生し始める午前9時ぐらいからという。「もともと個体数が少なく、あまり目にする機会のないタカの仲間を一度に数多く観察できる絶好の季節」と梅津さん。「毎年決まった時期に地球規模で移動していくタカの渡りは、壮大な自然のドラマを見ているようで、感動を覚える」と話す。
丹波地域では、ハチクマに続いて、オオタカやツミなどのハイタカ類の渡りが10月中旬をピークに見られるという。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)