外国人と祭りで交流 「気軽に話できる環境を」 ごみ出しルールきっかけに

2023.10.06
ニュース丹波篠山市地域地域注目

外国人向けのチラシを手に子どもたちと秋祭礼の担ぎ手を呼びかける井上自治会長ら=兵庫県丹波篠山市杉で

兵庫県丹波篠山市の杉自治会(井上尚和会長)は、地域に住む外国人にごみの出し方のルールが浸透していないことをきっかけに、まずは外国人たちとコミュニケーションを図ろうと、7、8の両日行われる「杉秋祭礼」への参加を呼びかけている。井上会長(56)は「気軽に話ができる環境をつくり、誰もが住みやすいまちを目指したい」と話している。

JR篠山口駅やスーパーマーケットなどに近い同地区にはベトナム出身者を中心に約30人の外国人が住む。同自治会によると、外国人が集住するごみ集積場所の回収日には、他市の袋でごみを出したり、ごみが散乱したりしているほか、ペットボトルのごみ袋に瓶や缶が入っていたり、回収日ではない日にごみが出されていたりすることがあるという。

 

英語とベトナム語で作成された担ぎ手を募る案内チラシ

市は2020年から、英語や中国語、ベトナム語など5カ国語で表記したごみ分別カレンダーやごみ袋を配布しているが、その後も同自治会ではルールが守られていないケースが見られ、自治会役員が外国人を雇用する会社に相談したり、分別し直したり、掃除をしたりして対応している。

なかなか理解が進まない状況を見て、まずは交流することから始めようと、外国人を対象に、秋祭礼の太鼓みこしの担ぎ手を募集することにした。市の助成事業の10万円を活用し、篠山国際理解センターの協力で、英語とベトナム語による案内チラシを作成。集合場所の杉公民館の位置と、申し込みフォーマットのQRコードを掲載した。法被のレンタル代や慰労会での飲食代も確保。隣の集落に住むベトナム人が交流サイト(SNS)で案内を発信してくれることになった。

宵宮は午後2時に公民館に集合後、集落内の島姫神社に宮入り。公民館に帰着後、餅まきをする。本宮は午前10時半に公民館に集合し、八幡神社(大沢)に宮入りする。各日、慰労会を開いて親睦を深める。

太鼓みこしは約30人で担ぐ。外国人の定員は10人。地元の小学生4人が太鼓をたたく。9月24日―10月5日、週3回、練習している。

井上会長は「希望者がいれば、さらに9日の味間地区の運動会や夏祭りにも誘いたい。普段はあまり接することのない外国の方との触れ合いを通して、子どもたちの多様性を養う機会にもしたい」と話している。

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