兵庫県丹波市春日町七日市の「道の駅丹波おばあちゃんの里」が、同市産スイートコーンを使った棒菓子「たんばのなんば棒 コーンポタージュ味」を開発し、発売した。味こそ変わらないが、見た目の悪さやサイズの小ささから同駅では売れない規格外のスイートコーンを農家から買い取り、原材料に使っている。同駅経営管理室室長の早形敏樹さん(47)は、「自信を持ってお勧めできる一品。丹波のスイートコーンを守るため、農家をバックアップしたい」と力を込める。
長さ約15センチと食べやすいサイズ。老若男女から愛される”あのお菓子”を彷彿させ、さくっとした食感が楽しめる。同市産スイートコーンの強い甘みも感じられ、くせになる。26本入りで1000円(税込み)。
同駅によると、同駅で販売するスイートコーンは、養分を集中させるため、1本の株から1房しか収穫しない。また、1粒でも虫食いに遭ったり、サイズが小さかったり、色合いが悪かったりするものは、客の満足度や市場価値を考慮すると販売できず、自家消費するか知人にあげるしかなく、栽培をやめる農家も多いそう。
そこで、「住む人に『うるおい』を」と掲げる同駅は窮状を打開すべく、スイートコーンを使ったご当地棒菓子の販売を発案。同駅にスイートコーンを出荷している農家約20軒に声をかけて規格外品を買い取り、業者に加工・製造を依頼した。
「なんば棒」という商品名は、早形さんの祖母が昔、トウモロコシを近畿地方の方言で「なんば」と呼んでおり、語呂も「たんば」に似ていることにちなんだ。
早形さんによると、他地域産と比べ、肥沃な丹波の土地で育つスイートコーンに「風味が違う」とうなるファンも多いという。「農家からすれば、例えば生産量『100』のうち、『50』しか売り物にならなかったものが『75』になるだけでも、収入面で励みにしてもらえるのでは」と期待する。
「おばあちゃんの里は、外から来られる人が多い。この商品は分けやすいので、会社や近所の人に渡す土産としても買ってもらえれば。丹波はスイートコーンもおいしい地域だと知ってほしい」と話している。
同駅の物産館で販売。営業時間は午前9時―午後5時。定休日なし。