販路じわじわ拡大 地元グループ丹精の「丹波栗」 レストランから引き合いも

2023.10.03
地域自然観光

いがをむいた栗を選別する作業などに汗を流す人たち=2023年9月24日午前11時39分、兵庫県丹波篠山市新荘で

高級品として全国的に知られる「丹波栗」のシーズンを迎え、兵庫県丹波篠山市新荘の住民で丹波栗の収穫、販売を行う「愛郷会新荘村」(倉垣利明村長)が連日、フル稼働している。10月中―下旬まで10人ほどの体制を組み、朝から栗拾い、いがむき、検品、選別を手作業で行い、丹波篠山市場に出したり、公民館前の県道沿いで直売を行ったりしている。同グループで取り組み始めて3年目。レストランからの引き合いもあり、販路が少しずつ広がり始めている。10月上旬に繁忙期のピークを迎える。

集落内「前山」の斜面1・5ヘクタールに約230本の木が植わっている。品種も多彩で、今の時期は「ぽろたん」「丹沢」「伊吹」、今月末ごろからは「銀寄」「筑波」「美玖里」など、さらに「岸根」「晩赤」と続く。

昨年から「丹波栗フェア」(実行委員会主催)に参加。今年も参加し、直売所にのぼりを立ててPRしている。「昨年、食べてみたらおいしかった」と、今年も買いに来てくれた人もいた。予約が入ったり、丹波篠山で栗を探していた東京のレストランから注文を受けたりするようになった。

昨年は約1・8トンを収穫。今年は夏の暑さで、若い木に水やりが必要になるなど管理に苦労したが、村長の倉垣さん(73)は、「虫の防除が十分ではなかったが、実はそれなりのものが出来ているのでは」とし、「収量は昨年並みかな」と話す。

1963年(昭和38)に発足した新荘生産森林組合が、前山に栗を植樹。かつては観光客を受け入れていた時期もあったという。2000年からは自ら手を挙げた個人が管理していたが、体調をくずしたこともあり、新たな管理者を考える中で、集落から有志を募り、14人で「愛郷会―」を設立。21年から活動を始めた。

倉垣さんは、「栗林が山の傾斜にあるため、手入れが大変だが、30代、50代のメンバーもいるので、村おこしを兼ねて受け継いでいければ」と話している。

直売は10月15日まで、午前10時―正午。4L3500円、3L2800円、2L2200円(いずれも1キロ当たり)。むき栗は500グラム2500円、200グラム1000円。栗拾いもできる。

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