前兵庫県宝塚市長で、同県丹波篠山市男女共同参画アドバイザー、中川智子さんの講演「ぐちを言うより変えていこう」(市など主催)が、同市民センターであった。市が同センター内に開設した男女共同参画センター「フィフティ」の開設1周年記念行事。中川さんは、宝塚市政を担っていたときにこだわった施策を紹介しつつ、「気軽に愚痴を言い合える会をつくり、政治に関心を持って。丹波篠山を幸福度の高い町にしたい」と語りかけた。約130人が来場した。
中川さんは、自身も愚痴がきっかけとなり友人と起業した経験がある一方で、友人が夫からの家庭内暴力(DV)をきっかけに心を病み、亡くなった経験もある。「助けることができなかったかと後悔がある。夫の立場を考えると誰にも言えない事情がある場合もあるが、愚痴は我慢し過ぎると心も病んでしまう。誰かに話し、それでも解決できなければ、いろんな専門機関に相談して」と呼びかけた。
「納得できないこと、腑に落ちないことを出し合う場がもっとあちこちにあっていい。愚痴を言い合うゆるやかな関係のグループができれば、人生も豊かになる」と提案。その上で「政治は暮らしそのもの。自分たちの暮らしは自分の一票で守る、というぐらいの気持ちで、自分たちの愚痴を、市の将来を託せる人を選んでほしい」と、政治参加を促した。
さらに「一人で抱えるより、話し合う中で出口が見えてくることがある。丹波篠山は、人として一人ひとりが大切にされ、息がしやすい幸福度の高い町になれる素地があると思っている。私も皆さんの仲間として頑張っていきたい」と力を込めた。