有機農業の取り組みや意義を知ってもらうきっかけにと、兵庫県丹波市の学校給食に14日までの6日間、有機堆肥を使って栽培された同市産の有機米が提供されている。全小中学校、特別支援学校の子どもたちが環境に優しい有機栽培に思いを寄せながら味わっている。
同市で有機農業に取り組む農地面積は163ヘクタール(2021年度時点)。農林水産省の面積ランキングで、1718市町村中、13位にランクインした。今年3月には、地域ぐるみで有機農業を推進する「オーガニックビレッジ宣言」を県内で最初に行った。
また、今年度には、農林水産省が温室効果ガスを減らした成果を消費者に「見える化」で実証する農産物生産事業に初参加。米栽培における有機堆肥の使用が評価され、通常の栽培より温室効果ガスの排出を35%削減したとして、最高評価の「三つ星」を獲得した。
給食に使う有機米は、JA丹波ひかみ有機米研究会(10人)が昨年の3倍となる約3トンを提供。化学肥料や農薬を使わないことで甘みが増す有機栽培の意義などを伝えるチラシも配布している。
有機米を味わった吉見小学校3年の児童は「環境に優しくて良い。いつもよりおいしく感じた」と話した。