兵庫県丹波市内で、くくりわなにかかり動けなくなったシカがツキノワグマに2頭食べられた事案(下部に関連記事)を受け、人身被害を防ぐため、同市は1日、事案が起こった現場に有害捕獲用わなを仕掛けた。シカの脚、ハチミツ、柿を餌に使い、わなかにかけようとしているが、5日午前時点で捕獲に至っていない。設置期間は2週間。
一般的な箱わななどに使われる線材の檻より強度が強い「ドラム缶わな」を設置した。ツキノワグマのわな猟は禁じられているが、精神被害や人身被害、農林業被害の防止に必要と認めたときに、県丹波農林振興事務所が市の申請に基づき許可する。わなにかかった場合は、許可を得た猟師が銃で仕留める。
2件目の事案発生が11月24日。地元自治会長は同26日、丹波新聞社からの照会で事案を知り、市に有害駆除を要請した。
12月3日には県、市の指導で、自治会役員が現場近くになっている不要柿をもいで回った。
担当猟師は「わなを仕掛けるタイミングが少し遅かった。間を置かずにやった方が良かった」と捕獲は困難とみている。
専門家は特定の個体の仕業とみており、シカ肉に執着するこの個体が、他の場所で同様の事案を生じかねず、わなで捕る猟師に危険が及びかねないと、警鐘を鳴らしている。