兵庫県丹波市立吉見小学校で、昨年までのマラソン記録会から内容を“改革”した「マラソンフェスタ」があった。3年生以上の児童は、従来通りに順位を競う「チャレンジ」と、記録と順位を付けずにマイペースで完走を目指す「エンジョイ」のどちらかのコースを選択して出場。児童たちは約100人の保護者、地域住民らから「頑張れ」「最後まで」と声援を受けながら、それぞれが自分のペースで走り切った。苦手意識が少ない1、2年生38人は全員が「キッズレース」として1キロを走った。
実力を問わず、「楽しかった」という思い出をつくり、マラソンを興味や目的に応じて親しめる「生涯スポーツ」にするきっかけになればと企画した。
チャレンジコースには、3、4年生(1・5キロ)は41人、5、6年生(2キロ)は30人がエントリー。スタートから勢いよく飛び出し、順位を競った。
3年生以上が1・5キロを走るエンジョイコースには計28人が出場した。「3、2、1、ゴー!」の合図でスタート。呼吸を荒くしつつも自分のペースで走り、全員が完走を果たした。最終走者がゴールする瞬間は、グラウンドにいる多くの児童や保護者たちが温かい拍手で出迎えた。
児童に楽しんでもらおうと、保護者4人がティラノサウルスと丹波市のマスコットキャラクター「ちーたん」の着ぐるみ姿で登場。児童たちは人だかりをつくってハイタッチをするなど、大はしゃぎだった。
チャレンジの4年生は「去年の8分20秒(1・5キロ)より速く走るのが目標だった。途中でおなかが痛くなったけれど、最後まで歩かずに走れた」と充実感をにじませた。
エンジョイの5年生は「チャレンジは距離が長いのでエンジョイを選んだ。元々走るのはあまり好きじゃないけれど、みんなと一緒に走れたから楽しかった」とはにかんだ。
内田順子校長は「笑顔の多い楽しいイベントにできた」とほほ笑む。「今年度から掲げている学校教育目標の一つが『自律』。自分に合った道を自分で選択することで、主体的に動けるようになる。『係』と言わずとも、自分から動ける子が確実に増えてきている」と話した。