兵庫県丹波篠山市今田町下小野原にある和田寺の前住職・武内普照さん(83)が、寺の裏の林で「キジバト」のつがいが互いの体の羽づくろいをし合う仲睦まじいシーンを写真に収めた。「相互羽づくろい」と呼ばれる求愛行動の一つ。
武内さんは左が雌、右が雄と推察。最初はそれぞれ羽づくろいに専念していたが、雌が雄に近づき、雄の頬の辺りをくちばしで優しく突き始めたという。
気持ち良さげにしていた雄は「今度はここもお願い」と言わんばかりに姿勢を低くし、頭の後ろの羽づくろいを催促。ひとしきり雌が雄に羽づくろいをすると、今度は「お返しに」と雄が雌の顔周りをくちばしで突いて羽づくろいを始め、この繰り返しがしばらく続いたという。
「互いに届きにくい場所の寄生虫を取り合っていたのかな。助け合う夫婦の姿に感動した。人の世界もこうあるべき」と武内さん。「野生動物から教えられることはいくつもある。またいつか法話で披露したい」と笑った。
キジバトはつがいになると四季を問わず行動を共にしたり、子育ても夫婦で取り組む姿から、「夫婦円満」「愛」などの象徴とされる。