高齢者の生活の質を維持するために切り離せない排泄の問題について、必要な知識を身に付けてもらおうと、丹波市医師会は、1―2月に初めての市民向け「市排泄サポーター養成講座」(3回)を開く。人に言いにくい“シモ”の話で相談すべき事例や相談場所、相談の仕方などを学び、市民の身近な相談窓口になってもらう。専門家でない市民を巻き込んだ取り組みは、県内でも珍しいという。
市医師会の松下全巳さん(松下泌尿器科医院院長)、排泄用具の情報館むつき庵(山南町野坂)、理学療法士の辻真人さんが講師。
日程と内容は、▽1月27日=正常な排尿・排便、排尿・排便の異常、病気とその治療▽2月3日=排尿・排便トラブルの介護(上手なおむつのあて方)、用具▽2月17日=排尿・排便トラブルのリハビリ、骨盤底筋訓練―。市医師会館(旧県立柏原病院北隣)でいずれも午後2―4時。全3回受講で「排泄サポーター証」を発行する。
発案者の松下さん(70)によると、加齢により血流や筋力が衰え、男性は排尿困難、頻尿、便秘、女性は尿漏れ、便秘、臓器脱などに多くの人が悩んでいる。困っている人は、親しい人に聞いたり、インターネットで情報収集したりし、いよいよ困れば受診するという。市民サポーターを養成することで、気軽に相談できる雰囲気をつくり、困っている人に相談先を伝える、治療が望ましい人に受診を促す、などの役割を担ってもらう。
松下さんは、「専門家だけで対処するにはマンパワーに限界がある。裾野を広げたい。年だから、で済ませがちだが適切な時に適切に対処すれば、カテーテルやおむつなしで暮らすこともできる。カテーテルやおむつが必要になったときの使い方、上手に使うこつも伝える。すでに症状がある人も、ない人も一緒に学んでもらえれば」と受講を呼びかけている。
18歳以上で、先着30人。参加費1000円。問い合わせは市医師会へ。