県総文自然科学発表で優秀賞 外来生物駆除の取り組み紹介 篠山東雲高校自然科学部

2023.12.13
地域自然

県総文の自然科学部門発表会パネル発表部門で優秀賞を受賞し喜ぶ篠山東雲高校自然科学部の部員たち=兵庫県丹波篠山市福住で

兵庫県立篠山東雲高校自然科学部の1、2年生6人がこのほど、神戸市で開かれた「第47回県高校総合文化祭―自然科学部門発表会(第15回)」のパネル発表部門で次点の優秀賞に輝いた。発表テーマは「堀の外来生物駆除による動物相の変化」。2020年から実施している篠山城跡東馬出堀に生息するウシガエルをはじめとする外来生物駆除の取り組みを紹介し、これらの活動によって一部の在来魚が増え始めたが、捕獲しきれない外来魚によって別の在来生物が数を減らしていることなどを報告した。昨年度は環境・普及部門で優秀賞を受賞。部員たちは、上位約10位に与えられる2年連続の栄誉に喜びをかみしめている。

分かりやすさや説得力をアップさせようと、表や写真を多用するなど工夫を凝らしたA0サイズのパネルを作製した。

駆除活動は19年6月、同堀のそばに暮らす住民からウシガエルの鳴き声による騒音被害を聞き付けたことから始まった。部員らは「地域の環境を守ろう」と、今年9月末までにいずれも外来種のウシガエルの成体24匹、幼体やオタマジャクシ8354匹、ブルーギル2441匹、アメリカザリガニ2055匹を捕獲した。

ウシガエルの成体は解剖して胃の内容物を調べ、アメリカザリガニを主食としていることを突き止めた。また、脚は食用に利用できると、唐揚げにして試食した。このほかの外来生物は乾燥させ、農作物の肥料にする研究を進めている。

駆除活動により、ウシガエルやザリガニの個体数は減り、在来魚のモツゴの個体数が増えるなど活動の成果が出ているが、外来魚ブルーギルの効率的な捕獲方法が確立できていないため、個体数を減らすことができず、在来のスジエビがブルーギルの餌となって個体数を減らしているという。

パネルでは、「駆除をやめれば再び外来生物が増えてしまうので、今後も活動を続け、本来の生態系を取り戻したい」などと締めくくっている。

坂本光希部長(2年)と、土谷柚葵さん(同)は、「長い期間をかけて取り組んできたことが評価され、うれしい。これからの活動の励みにもなる」と喜び、「今後は南馬出堀でも活動を行う。この場所では外来アカウキクサ類のアゾラが大量発生しているので、その駆除も進めていきたい」としている。

パネル発表部門には県内から53グループの参加があった。

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