兵庫県丹波市山南町応地集落で7日、同市無形民俗文化財に指定されている年始の伝統行事「蛇(じゃ)ない」が行われた。住民が大歳神社で長さ15メートル、太さの直径20センチほどの「大蛇」を編み上げた後、無病息災や五穀豊穣を願って集落内を練り歩いた。
若い住民10人ほどが大蛇を抱えて列をつくり、時折円になって大蛇を暴れさせながら、約30戸を回った。子どもは賢くなるよう頭を、足の不自由なお年寄りは足をかんでもらった。道中の川では水面まで降りて水を飲ませた。
林美紀子さん(74)は「迷信かもしれないが、これ以上足が悪くならないよう、現状維持を」とほほ笑んだ。青い法被をまとい、初めて大蛇を抱えて回った小学4年生は「思っているよりも重かったし、堅かった。地域にこういう伝統があるのは面白い」とはにかんだ。
江戸時代から続くとされる神事。大雨による増水で川向こうに取り残された子どもたちを、突然現れた大蛇が橋の代わりになって救ったという伝説にちなむ。