”レジェンド二刀流”やって来た 元女子プロ野球選手の小西さん 「夢持ち人に話して」

2024.01.28
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大谷翔平選手から届いたグローブを6年生に見せる女子プロ野球のレジェンド、小西美加さん=兵庫県丹波市氷上町絹山で

投打の二刀流で活躍し、数々の記録を持つ元女子プロ野球選手、小西美加さん(40)が、兵庫県丹波市の北小学校を訪れ、6年生36人に座学と実技で特別授業を行った。「夢を持つ。人に夢をしゃべると、協力者が現れる」と児童を激励。大リーガーの大谷翔平選手が全国の小学校に寄贈したグローブが同校にも届き、小西さんがお披露目した。

小学校で少年野球を始め、エースとして活躍したこと、女子野球日本代表のエースとしてワールドカップ(W杯)を戦ったことなど、自身の野球人生を語った。また、アマチュア野球界について、男子の競技人口は減っているが、女子は右肩上がりで増えていると、現状を説明した。

2019年の引退後に自身が精力的に取り組んでいる野球の普及活動「こにたんプロジェクト」で、ピッチャーのいない野球「ティーボール」を広め、幼児や小学生向け教室をたくさん開いていることや、モンゴルなど5カ国の子どもたちにグラブを贈ったことを紹介。7年間で350個を贈っただけでなく、指導にも赴き、これらの国で競技人口が増えつつある手応えを口にした。

児童から、プロ時代の心に残るエピソードを問われ、「末期がんのおじいさんが病院を抜け出し、見に来てくれていた。『頑張る姿を見ると笑顔になる。観戦が生きがい』と言ってもらえた。私たちが野球をすることが人のためになっていると、やりがいを感じた」と応じた。

自身の小学校の頃の夢は、教師。「教員にならなかったが、こうやって教壇に立つ夢がかなった。思い続けていると形になる」と、自身の体験に照らし、助言した。

また、大谷選手のグローブの披露では、「WBCで世界一になった時と同じモデル」と説明。「私の方がグローブのプレゼントを始めた時期は早いんだけどな。大谷選手みたいに稼いでいないので、日本の全部の学校にプレゼントはできないけれど」と冗談交じりに話しつつ、児童にグローブを触らせた。グローブには、大谷選手のサインが印字されており、「野球しようぜ」のメッセージカードが添えられていた。

男子児童は「人生、諦めずにやったらかなうことがある。やってみないと分からないことが分かった」と言い、少年野球チームに所属する男子児童は、届いたグローブを「軽くて小さい子も使いやすそう」と手にはめていた。

小西さんは、2009年に設立された日本女子プロ野球機構の中心選手。11年に16勝のリーグ記録を樹立。リーグ初のオーバーフェンスのホームランを打ち、打率3割2分4厘の結果を残した。直球の最速は127キロ。

スポーツの世界で活躍したアスリートを体育の先生として全国各地の学校に派遣するスポーツ庁事業の「アスリーチ」で来校した。

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