兵庫県丹波篠山市出身で、吉本新喜劇の座員として活躍する森田まりこさん(42)。新喜劇はもちろん、テレビにラジオにと忙しい日々を送っている。人々に「笑い」を届けることを生業としている身として、笑うことの大切さをどう感じているのか。また、人生の中で大切にしていることは。「ネタ」も交えながらインタビューに答えてもらった。
―遅くなりましたが、ご結婚おめでとうございます。(2021年、同じ新喜劇の清水啓之さんと結婚)
ありがとうございます! 結婚してから夫婦でロケに行くことが増えて、ロケ中に「あそこはもっとこうしてほしい」とか言い合いになることもありますが、家に帰ったら私からへばりつきに行って仲直り。「暑いから離れて」って言われますが…。
―ラブラブですね。最近は忙しそうです
おかげさまで最近はテレビなどの仕事も頂いて。また舞台とは違った面白さがあります。ABCテレビの「newsおかえり」という番組の木曜レギュラーをさせていただいているのですが、コメンテーターの皆さんがめちゃめちゃ賢い人ばかり。CM中に話されていることが、もう賢い。お笑い以外の人と関わる機会が少ないのでいろんなことを吸収させてもらっています。
―活躍の幅を広げていますね。まちなかでは声をかけられたりするのでは?
「新喜劇の子やんな?」なんて声をかけてもらうことはありますが、「森田まりこ」の名前はまだまだ…。テレビやラジオに出ることで名前を覚えてほしいし、もちろん新喜劇自体にも関心を持ってもらいたいですね。
―コロナ禍の間はどうでした?
大変でしたよー。一時期、舞台が止まってしまって。なにかしないと忘れられちゃうと、「ヤンシー&マリコンヌ」(新喜劇の松浦真也さんとのユニット)でユーチューブ配信をしてみましたが、編集が大変で止まっちゃいました…。
それと、啓之君にアプローチしたのもコロナ禍中。外食ができなくなったので、「家でご飯作ってあげる」って。そこから1年くらいで結婚です。逆にチャンスにしましたよ!
―さすがです!
しばらくして無観客ライブが始まりました。まだ複数人で演じる新喜劇はできなくて、ヤンシー&マリコンヌとしてNGK(なんばグランド花月)に出させてもらいました。これもすごく貴重な体験でしたね。
観客を入れるようになってからも20人以下はざら。でも、お客さんたちが責任を感じたのか、大きい声で笑ってくれて。私たちも「ほんまに来てくれてありがとう!」って感じで。改めて舞台ってお客さんと一緒に作るものだと感じました。
―コロナ禍がようやく収まったかと思ったら物価高騰。笑えない人もいるのではと
ばかばかしかったり、しょうもなかったりするものを見たときに、ちょっと吹き出しちゃうことってあるじゃないですか。そんな笑いを楽しんでほしい。
私なんて何もできないけれど、「こんなアホな人もおんねや」って笑ってほしいし、悩んでいることも「しょうもない」「くだらんかった」って思ってほしい。ほんまに「笑い」っていろんな〝病〟を吹き飛ばしてくれるので。
―もともと明るい性格ですか?
子どもの時の写真を見ても、大股開いてダブルピース。明るいというか、目立ちたがりのお調子者でしたね。父がお笑い好きだったので、物心ついた時には新喜劇を見ていました。年末なんてテレビでお笑い三昧でしたよ。
―そんなまりこさんも悩むことはありますか?
私、しゃべりが得意じゃないんです。でも、言葉を使わないといけない仕事もあって、思っていることをうまく表現できない時は悩みますよ。それにネタで滑ったら悩むし、誰かと意見がぶつかって悩むこともあります。
―解決する方法はありますか?
時間があれば、とにかく家族や友だちに会う。そして、ハグ(抱きしめる)しまくる。もう、外国人みたいに「ハグ、ハグ、チュッチュ」です。
あとはお風呂ですね。漫画を読んだり、音楽を聞いたり。最長で4時間入っていたこともありますよ。皮がフニャフニャになりましたけどね。体をめっちゃごしごし洗うことで、心の汚れやもやもやも一緒に洗い流せると思っています。
―人生で大切にされていることはありますか?
私自身もできていませんが、「やりたいと思ったことはすぐにやる」。大切な親友を亡くしたことがあって。生きている時間には限りがあると知りました。だから時間がもったいないんです。悩んでいる時間ももったいない。
それと家族や大切に思っている人への愛情表現や、「ありがとう」と「ごめんなさい」を〝けちらない〟ことは特に心がけています。
啓之君とけんかしてもすぐ仲直りしますが、朝、けんかしたまま別れて最後になったら嫌じゃないですか。だからもう顔が見えなくなるまで思いっきり笑顔で手を振りますよ!
―地元への思いはいかがですか?
忙しくてなかなか帰れないんですが、大阪にいても丹波のニュースが耳に入ってくると気になって、気になって。黒枝豆が解禁したり、ぼたん鍋が始まったり。
「どこ出身?」と聞かれたら、自慢げに「丹波篠山です」と返します。有名な特産がたくさんあるので、それがきっかけで会話が弾むこともありますね。
それと、一時期、丹波市内の小学校や中学校で働いたこともあって、いまだにつながっている子どもたちがいます。あの頃のことは本当に良い思い出で、成長させてもらいましたね。
あ、丹波地域でのお仕事お待ちしています!
―新年の目標は?
新喜劇が65周年なので、ますます盛り上げていきたいです! 地元でまりこ座長の新喜劇もしたい! ヤンシー&マリコンヌでもグローバルなネタ作りをして、いつか海外公演したいですね!
とにかく歌って踊って叫んで、楽しい一年にしたいと思います。
もりた・まりこ 西紀小学校、西紀中学校、篠山鳳鳴高校、天理大学出身。丹波篠山市内のスポーツクラブでスイミングスクールコーチや、丹波市内の学校で補助員などを務めた。2006年、吉本新喜劇のオーディションに合格。フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」に出場し、「宝塚音楽学校の受験生」や「リアルゴリラ」のものまねで沸かせ、一躍、人気芸人に。吉本新喜劇座員総選挙2023では、1万4375票を獲得して17位にランクインした。現在、新喜劇のほか、MBSラジオ「かめばかむほど亀井希生です!」(土曜)、ABCテレビ「newsおかえり」(木曜)にレギュラー出演中。